「つ」という文字の起源については諸説あり、漢字の「津」や「川」から派生したという説が存在します。国立国会図書館のデジタルコレクションによると、「つ」の字母として「川」(古音tʃ'iuen)とする説が有力視されていますが、その他の説も存在しており、文字の成り立ちに関する議論は続いています。
ひらがな「つ」の由来については、主に漢字の「川」から派生したという説が有力です12。平安時代(西暦900年頃)に、それまでの画数の多い万葉仮名に代わるものとして、ひらがなが考案されました1。
「つ」の字形の変化過程を詳しく見ると、以下のようになります:
元の漢字「川」
草書体で書かれた「川」
さらに簡略化された形
現在のひらがな「つ」
この変化過程において、「川」の字の持つ流れるような曲線が、「つ」の特徴的な形状に反映されています3。
一方で、「つ」の字母として「津」を挙げる説も存在します2。これは、「つ」の音と「津」の音が近いことから推測されたものと考えられます。
興味深いのは、「川」の古音が「tʃ'iuen」であったという点です2。この音が「つ」の音に近いことが、「川」を字母とする説を支持する根拠の一つとなっています。
このように、ひらがな「つ」の成り立ちは、日本語の文字体系の発展と密接に関連しており、古代の日本人が漢字を自国の言語に適応させていく過程を示す興味深い例といえるでしょう。